WE-Next フォーラム 2022 ~今だからこそ考えたい、多様性とジェンダー平等~
を開催しました。
日 時:2023年1月7日(土) 10:00~12:45
形 式:Zoom Webiner
参加者:75名(関係者含む)
ゲスト:
大崎麻子氏/ジェンダースペシャリスト
永山晴子氏/デロイト トーマツ グループ 及び 有限責任監査法人トーマツボード議長
前組織で、年次大会として実施していた公開イベントを復活開催しました。
企画や運営は、本活動を通じ生まれたネットワーク WE-Net福岡の女性管理職のメンバーです。
人的資本経営やそれに関連し、ますます重視される多様性やジェンダー平等について
お二人のスペシャリストをお招きし、最新動向のキーノートと公開型の質疑応答
形式で実施いたしました。
|Key-Note1
大崎麻子氏/ジェンダースペシャリスト
大崎様からは、
女性活躍から、ジェンダー平等へ〜最新の国際動向と国内政策~
というタイトルで講演いただきました。
- ジェンダー平等や多様性の潮流は、グローバルで共有している普遍的な価値観であり、社会やビジネスにおいて欠かすことのできない価値観となっている。
日本独自の解釈による「女性活躍推進」は女性だけの意識や働き方を見直す傾向が否めない。
グローバルはジェンダー主流化(みんなが変化、社会構造が変わる)が進んでいる。 - G7の開催国となる日本は、G7で合意しているジェンダー平等化をスピードアップする期待が寄せられている。
その期待に応えられないことは国際的なリスクともなる。
一方、ローカルな視点でみると、地方は若年女性の流出や女性の就業継続の課題がある。
こうした点は、地域経済、人口減少の抑止ともつながる課題で、いわば本テーマは地方の生き残り策である。 - 改善に向けては、WEPsのフレームワーク等のツールで自社を検証、豊岡市が実践する事例等から取り入れ、スタートするとよい。
|Key-Note2
永山晴子/デロイト トーマツ グループ 及び 有限責任監査法人トーマツボード議長
永山様からは、ビジネスパーソンとして経験から考えるキャリアや女性活躍の意義、30%クラブジャパンのバイスチェアの立場より数値にこだわる意義、そしてコンサルタントの立場より人的資本への注目とディスクロージャーの要請、等について多面的な示唆をいただきました。
- 「女性」という理由で注目されることに、違和感を持ったこともあったが、
「多様性の経済合理性」を知ることで払しょくにつながった。 - 多様性は同質性のリスクを排除することにも有効。有能な個人を集めることでチームの力が高まると考えがちだが、同質性が高まることにより認知の偏りが見落としを生むことや、結果として生み出す結論や合意内容が稚拙なものとなることが、グループシンクのリスクとして知られるようになっている。
- 30%には意義がある。ハーバード教授のロザベス・モスカンター氏は黄金の3割という考え方を示している。
3割に満たない状態での少数派の意見は、個人の見解となりやすく、少数派が3割を超えることで、意思決定に影響を与えやすくなる。さらに結論の質も向上する。
多様性のインパクトを高めるために、自社内で企画するセミナー等も多様性のバランス基準を設けている。 - 長期的視点から、投資家やサプライチェーン内でますます多様性やジェンダー平等が重視される。
同時に情報開示の要請もさらに高まり、多様性やジェンダー平等は経営課題そのものとなっている。
このほか、ゲストの皆様には、質疑応答でも大変熱心に質問者への回答を頂きました。
いただいた多様性やジェンダー平等の最新情報、そして私たちの活動へのエールを
今後の活動に活かし、次世代のジェンダー平等や自分らしく生きられる社会づくりに
尽力していきたいと思います。
結びに、今回ご参加いただいた皆様には、参加費としての寄付および、メッセージ動画のご協力をいただきありがとうございました。
今後も私どもの活動に理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。
【 追記(2023.3)】
皆様からの参加費(システム手数料除く)を、
プランインターナショナルへ寄付いたしましたのでご報告いたします。
寄付額:53,000円
プラン・インターナショナル・ジャパンは、寄付・募金で、世界の子どもたちとりわけ女の子が直面する課題解決に取り組む国際NGOです。教育、子どもの成長、性と生殖に関する健康と権利、生計向上、子どもの参加、子どもの保護、緊急支援(人道支援)の分野で、支援活動に取り組んでいます。
皆様の本フォーラムへのご参加、改めて感謝申し上げます。
企画・実行委員
委員長 初村清香 西部ガスホールディングス 人財戦略部キャリア開発グループマネジャー
山本有希 有限責任監査法人トーマツ シニアマネジャー
石原弘美 九州産業大学 総務部(経営基盤強化担当)課長
佐々木圭子 九州産業大学 ダイバーシティ推進室長